【洋服・布団・小物の素材一覧】生地の長所と短所マトメ
衣類や布団、アクセサリー
色々な製品に縫製された生地が
使われています。
その生地が使われた素材は?
- 家の洗濯機で洗濯できるの?
- 熱に弱いとコインランドリー乾燥機は使えない?
- ドライクリーニング製品?
- 普段の保管方法は?
等々、素材によって特徴があり、
どう扱って良いか難しいですね。
この記事では、
素材による洗い方
- ドライクリーニング
- ウエットクリーニング
- ランドリー洗い
の違いや、
衣類の素材特徴及び
長所と短所を説明しています。
皆さんの参考になればと思います。
洗濯方法早見一覧
生地の素材には適切な洗い方があり、
下に簡単ですが早見表を作りました。
良ければ参考にして頂けると幸いです。
天然繊維 | ドライ (有機溶剤で 水を使わず洗う) | ウエットクリーニング (手洗いに近い洗濯方法) | ランドリー (洗濯機で洗剤と水で洗う) |
綿 | ○ | ○ | ○ |
麻 | ○ | ○ | ○ |
絹(シルク) | ○ | △ | ✕ |
羊毛(ウール) | ○ | △ | ✕ |
化学繊維 | ドライ (有機溶剤で 水を使わず洗う) | ウエットクリーニング (手洗いに近い洗濯方法) | ランドリー (洗濯機で洗剤と水で洗う) |
レーヨン | ○ | △ | ✕ |
アセテート | ○ | △ | △ |
ナイロン | ○ | ○ | ○ |
ポリエステル | ○ | ○ | ○ |
アクリル | ○ | ○ | ✕ |
羊毛を使った敷布団、
上記の表だと洗えないことになります。
しかし素材料が51%未満の場合
特別なコインランドリー機器だと
洗濯可能です。
洋服生地素材の説明と長所・短所
下に洋服の素材特徴一覧をマトメています。
- 天然繊維
- 合成繊維
- 再生繊維
- 半合成繊維
の順番で載せています。
それぞれの生地
メリット・デメリットも
参照ください。
天然繊維
綿
綿といえばとても身近な素材ですね。
世界の繊維生産量の1/4に近い量が
綿と言われており、
あらゆる「衣類、小物、布団」
沢山の製品に使用されている素材となります。
綿はアオイ科ワタ属の多年草「ワタ」の種子からとれる
繊維のことを指します。
メリット
- 丈夫な素材で洗濯しやすい(強度がある)
- 耐摩耗性がある
- 肌ざわりが良い
- 吸収性・放湿性が高い
- 柔らかい
- 染色性がよい
- アルカリに強い
デメリット
- 縮みやすい
- シワになりやすい
- 色移りしやすい
- 繰り返し洗濯することで硬くなる
羊毛
動物繊維の代表とも言える羊毛。
羊の種類は3,000種以上だそうですが、
メリノ種という品種が1番使われています。
一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
イギリスやニュージーランドに多く生息する
クロスブレッドという品種も
厚物やカーペット等に使われるそうですよ。
生産量はオーストラリアが
1番多いそうです。
セーターやマフラーで良くお世話になっていますね。
メリット
- 弾性に優れている
- 保温性が高い
- 水を弾きやすい
- シワになりにくい
- 難燃性である
デメリット
- フェルト化する
- 折れ目がつけにくい
- アルカリに弱い
- 虫に食わやすい
- 毛玉ができる
- 静電気が発生しやすい
リネン(麻)
リネンのイメージとして筆者は最初に浮かぶのは、
夏の浴衣でしょうか。
独特な自然の雰囲気を感じる天然繊維ですね。
麻とリネンの違いは
麻の種類の1つにリネンがあります。
麻の種類も
- リネン(衣類やタオル)
- ラミー(衣類やタオル)
- ジュート(カーペット等)
- ヘンプ(ロープや衣類)
等色々な種類に分かれます。
古代エジプトでは神事
ミイラを巻くのにリネンが使われたそうですよ♪
メリット
- 麻の中では肌触りが良い
- 汗をかいても張り付かない
- 速乾性が高い
- 通気性が高い
- 薄地でも生地が強い
- 使い込むことで良さがでる
デメリット
- シワができやすい
- 縮みやすい
絹(シルク)
絹と言えば高級生地のイメージですね。
シーツ、スカーフ、パジャマ、パーティードレス
どれもシルク生地だとワンランク上のイメージが
出てきます。
シルクは蚕(カイコ)が1つの繭(マユ)を作るのに、
桑の葉を沢山食べます。
その食べた沢山の桑の葉がシルクに繋がるわけです。
手間や時間も餌も沢山必要なので
値段と価値も上がるわけですね。
因みにシルクロードは中国が輸出のために
作った道だそうでう。
メリット
- エレガントな光沢感
- 吸湿性に優れている
- 放湿性に優れている
- 染色性が高い
- UVカット率が高い
- 静電気が起きにくい
デメリット
- 摩擦に弱い
- シミができやすい
- 太陽光で色が変わる
化学繊維(合成繊維)
ポリエステル
衣類や布団、ウエディングドレス
あらゆる衣料品に使われている素材となります。
衣料品以外も
ペットボトルや産業製品まで、
幅広く使われている素材です。
幅広く使われているという事は、
長所も多く扱いやすい素材となります。
メリット
- 繊維の強度が高い
- ハリやコシがナイロン、アクリルより優れている
- 耐熱性が高い
- プリーツ加工ができる
(スカートによくしてある折り目加工) - 伸び縮みが少ない
- 乾燥しやすい
- 耐光性に優れ色が変わりにくい
- 薬品に強い
デメリット
- 毛玉が合成繊維の中では出やすい
- 汚れを吸着しやすい
ナイロン
ナイロンは世界最初の合成繊維と言われています。
「鋼鉄よりも強く、蜘蛛の糸のように細い」
と宣伝されていたそうです。
羊毛やポリエステルと混紡(こんぼう)して
使われることが多いです。
メリット
- 繊維の強度が高い
- 伸縮性がある
- 薬品に強い
- 吸水性が高い
デメリット
- 日光で黄変しやすい
- 熱に弱い
ポリ塩化ビニル
ファッション雑誌の景品や
夏のプールで使う
トートバック
赤ちゃんの前掛けにも使われています。
水道配管や玩具、消しゴム等に使われている製品です。
メリット
- 繊維が丈夫
- 汚れが落ちやすい
- 水分を吸収しにくい
デメリット
- 熱に弱い
- 一般衣類には適さない
アクリル
最も羊毛に似た合成繊維です。
石油から取れる
「アクリルニトリル」を原料となっています。
セーターによく使われる素材です。
肌着や靴下、ぬいぐるみ、毛布、カーペット等々、
色々な用途に使われていいます。
メリット
- 「かさ高」性が高い(空気を含みやすく羽毛に近い)
- 柔らかい手触り
- 生地の発色性がよくキレイに染められる
- 保温性が高い
- シワになりにくい
- 羊毛と違い水洗いはできる
デメリット
- 毛玉がでやすい
- 熱に弱い
ポリウレタン(ウレタン)
低反発マットやクッション、
マットレス、まくら等に使われています。
独特な反発感が姿勢に優しい製品の
キャッチコピーを目にします。
家庭用の食器洗いスポンジもウレタンが多いです。
原油から作られる
ポリオールやイソシアネートが主な材料となります。
液体を発泡させて作る素材なので、
中の気泡の量や大きさを調整できます。
密度や硬さ伸び率、引き裂き強さを調整できます。
メリット
- 体圧分散性が高い
- 保温性が高い
- 割と低価格
デメリット
- 洗えない
- 熱に弱い
- カビが生えやすい
化学繊維(再生繊維)
レーヨン
木材パルプより人工的に作った
再生繊維です。
繊維の肌触りから
人工絹糸と呼ばれています。
光沢が強くガラスのように光る独特の光沢が
ファッション衣類に人気の素材となります。
メリット
- 肌触りが良い
- 染色性が良い
- 高級感がある
- 綿より吸湿性がよい
デメリット
- 強度が綿、絹より弱い
- 水に弱い
- コシ ハリが少ない
- シワがつきやすい
キュプラ
原料はコットンリンターと呼ばれる
綿花を採取した後の種子に残る繊維原料を
銅アンモニア溶液で
溶かしてから作る繊維です。
滑らかな肌触りのと光沢の良さから
高級裏地や婦人用インナーに使われています。
キュプラはベンベルクと
呼ばれることがあります。
1928年にドイツJPベンベルグ代表と野口遵(旭化成創業者)が
ニューヨークにて技術機械導入の正式契約調印しました。
旭化成ブランドとしてベンベルグは有名ですが、
キュプラは同じものを指します。
因みにキュプラの由来は
「cupurammonium rayon(銅アンモニア・レーヨン)」
を略したものです。
レーヨンと似た質感が
キュプラという語源のようですね。
引用:旭化成ベンベルグHPよりhttps://www.asahi-kasei.co.jp/fibers/bemberg/
メリット
- 光沢感がある
- 吸水性が高い
- なめらかな肌触り
- 静電気が発生しにくい
デメリット
- 摩擦に弱い(毛羽立つ)
- 縮みやすい
ポリノジック
ポリノジックはレーヨンと似た性質を持っています。
レーヨン同様
木材パルプを原料としています。
レーヨンの欠点を改善したもので、
「改質レーヨン」とも呼ばれています。
メリット
- 肌触りが良い
- 染色性が良い
- 高級感がある
- レーヨンより水に強い
デメリット
- 強度が綿、絹より弱い
- 水に弱い(レーヨンより強い)
- コシ ハリが少ない
- シワがつきやすい
リヨセル/テンセル
リヨセルはテンセルとも呼ばれます。
原料はユーカリ木材のパルプから作られます。
天然の材料を使用しているため、
人体への影響が少ない材料なので、
サスティナブルファッション素材と、
言われます。
名前が2つある理由
「リヨセル」はオーストラリアのレンチング社の商標、
「テンセル」はイギリスのコートルズ社の商標となります。
現在では2社が合併し「テンセル」をブランド名とし、
「リヨセル」は総称として呼ばれています。
メリット
- 化学繊維だけど持続可能な木材ユーカリが主原料
- ドレープ性がある
- 光沢感が有る
- 吸湿性と速乾性が高い
- 静電気が起きにくい
- 強度・耐久性が高い
- 縮みにくい
デメリット
- 摩擦に弱い
- 白化しやすい
化学繊維(半合成繊維)
アセテート・トリアセテート
木材パルプを使用したセルロースが主原料となります。
セルロースに酢酸を結合させることで、
出来た繊維となります。
アセテートとトリアセテートの違いは
酢酸の量がトリアセテートは多く
吸湿・吸水性が低くなります。
メリット
- 素材が軽量
- 吸湿性、放湿性、保温性がある
- 光沢がある。
- シワになりにくい。
- 染色性がよい。
- 熱可塑性(熱すると軟化して成形しやすくなり、冷やすと再び固くなる性質)があり、プリーツ加工ができる。
デメリット
- 除光液がつくと溶ける。
- 酸化窒素ガス(排気ガス)による変色がある。
- アルカリ洗剤で洗うと光沢が消失する。
- 熱に弱い。
- 強度が低い。
まとめ
素材にはそれぞれ特徴があり、
- 洗濯方法
- 乾燥機の温度
- 保管方法
諸々注意点が違います。
特に、あまり使わない素材ほど
注意が必要です。
皆さんも、間違った洗濯方法や乾燥をかけてしまい、
大事な衣類を傷つけないよう注意しましょう。
著書 クリーニング実務
公益財団法人 全国生活衛生営業指導センター 引用
ウィキペディア – Wikipedia
各種衣類素材参照